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2022/09/03 14:15



下肢装具つける=今までの靴が履けなくなる

下肢装具とは、足におこるなんらかの負担を軽減したり、予防したりするために、足につけるものです。足全体をカバーするような大きなものや、足首を重点的にカバーする小さいものなどその種類は多種多様。

病気や事故のあとの足を支えたり、変形を防いだり、歩くためのサポートをしてくれる、大切なものです。

そして、そのカバー=下肢装具をつければ、お店に売っているようなタイプの靴は履けなくなる。だって、片足にだけ、プラスチックや金属で作ったカバーを足にかぶせるんだもの。

足の幅は大きくなる。金属やプラスチックのゴツゴツがあって、靴に足が入らない。左足と右足のサイズが違う。これまでの靴は全滅です。

この問題を解決する靴に、介護靴、サポート靴があります。左右サイズ違いで注文可能で、履き口が全開できるような靴。事故または病後に、お医者様からリハビリ用として最初に提案されることが多いのですが、これが見た目がもろ医療用っていう感じで、日常使いには程遠い。つまり「これまでの人生で普通に履いていた靴」とまったく違うものなのです。

この仕事を始める前の私には、この事実をまったくわかっていませんでした。下肢装具のことも知らなかったし、なんとなく「すべてにおいて進んだ現代、どこかの靴メーカーが下肢装具をつけても日常ではける靴をつくっているんじゃないかな」と思っていました。

しかし、そんなことは、全然なかった。そんな靴は、この世界のどこにもなかったのです。

自分と同じ問題を抱える誰かのために、立ち上がる

布施田祥子さん、ふーちゃんに最初にあったとき、彼女は靴メーカーの門をあちこち叩き、下肢装具をつけても以前と同じように見える靴のため、協力してくれるようお願いして回っていました。一緒に仕事をすることになった私は、あちこちについてまわることにしました。みんなから帰ってきた答えはいろいろ。

難しい。

無理でしょう。

うちには今そういう余裕がありません。

その開発すごく資金がかかりますよ。

私には、このメーカーさんたちの気持ちがわかります。自分とは遠い世界のことで、誰か他の人が解決するだろうと思えるのです。

でもふーちゃんは、諦めなかった。無我夢中でメーカーを回り、話し合っているとき、デザインについてしんっけんに議論しているとき、その本気をそばでみているうちに、私はだんだん「あ、これはやばいやつだ」と分かっててきました。

自分のためだけならばフルオーダーで自由に何足も作れる金額を投入して、靴の木型を揃え、革を買い、デザインを依頼する。はじめてのこと、最初の挑戦の中で、失敗や諍いもある。もう、世の中ってどうなってる?と泣きたくなるようなこともある。それでも、「自分に、自分と同じ悩みを抱える誰かに必要なものだ」と信じて立ち上がるふーちゃんは、本当にすごい人だなと。そしてそれに参加している今って、ちょっと普通じゃない、すごい経験なんじゃないかなあと思えてきたのです。

まだ会社が始まる前。熱い想い以外なんにも持たない一人の女性が、がむしゃらに何かを作り出そうとしている瞬間でした。まるで、まっさらな空に飛び込んでいくスカイダイビングのように。そしてそのがむしゃらは長い間続くのでした。

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